パソコンでデカールを作る。いうのは簡単だけど、そろえる道具には初期投資でけっこうコストが掛かる。それでも市販されていないレーシングモデルを作るには欲しいアイテム。今回はＪＰロータスに挑戦。

ユニオンジャックのようなカラーイラストをデカールにするとき一番問題となるのが色透けのことだと思う。特に赤のボディの上に白の部分が載る場合や暗いボディに明るい色が載る場合である。これを防ぐには下地に白色のベタを印刷して上に実際のものを重ね印刷する方法がアル。しかし、この技はアルプスのマクロドライプリンターを使用してしかも白色インクを使用できる機種でなければ使えない。基本的にはこの制作記はマイクロドライを使うことを前提としています。そして、白を下地に印刷しても色透けは完全には防げない場合もある。ここで、思い出すのが成形色の滲み上がりを防ぐため銀色を吹くという技である。これをデカールにも応用すれば赤の滲み上がりをかなり防げる。ただし二枚貼りのリスクも負うことになりますが。そしてただスキャンしただけだと形が歪み左右対称にはトレースできない。

さて、イラストレーターで制作する場合、上のことから白色のベタの版下とイラストを描いた版下を別々に作らなければならない。 写真のような場合、白の四角形とユニオンジャックのイラストである。ここで注意しなければならないのはイラストで白になる部分は白の版下に含まれることだ。つまり別のレイヤーに描かなければならないことになる。単純な図形ならば問題ないと思うが複雑な場合は注意しないと失敗する。まあ、テスト印刷しないでデカールに印刷してしまう人はいないと思うけど。さて、16でもふれたとおり、このような左右対称な図形をスキャンした場合、ゆがんで正確でない場合が多い。こんな時は左右どちらか半分をトレースしてミラーリングによって残り半分を複製する。このとき補助線を多く描いておかないと位置合わせや大きさなど決めにくい。そして白の版下にするためユニオンジャックの回りの四角形を書いておくと後で楽だ。(コピーした後で消す)

これは曲線部分もない比較的単純な図形なので左右対称にさえ気をつければさほど時間は掛からないと思う。ここでもう一つのレイヤーにコピーしても良いのだが１図形だけをコピーすると上になるレイヤーと下のレイヤーの位置合わせがメンドイので一応全ての図形が出来上がってからの方が良いと思う。上の写真の輪郭線を残したままコピーし、黒く塗りつぶす。わかりやすく図形を残してあるが、要は赤の四角部分を塗りつぶせば白の版下となる。(写真ロールオーバー参照)

ボクガ知らないだけなのかもしれないが、このように全体像が出来てから新たなレイヤーにコピーした方が上下レイヤーのズレがない。そして上の図形の四角部分を消すのを忘れないように！ デカールの作製ってソフトの慣れは別としてほぼ版下の善し悪しで決まると思う。だからなるべく大きな物を探すのだ〜(または解像度を大きく)